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後発メーカーのブランディングの大変さ

後発メーカーの大変なところ

食品業界しかりどの世界でもそうですが、一般的に大手と言われいている会社が大手と言われるゆえんとして、ある分野においてブルーオーシャンだったマーケットに対して先駆者だった企業がやはり大手と言われているのだと思います。

 

私が前職に勤めていた会社は、もともとはアイスクリームを作る企業から始まり、冷凍する技術を生かして冷凍麺を作るようになった経緯がありました。

 

当時、冷凍麺を販売したころには既に大手のメーカーが数多く存在していたため完全なる後発メーカーという位置付けです。

 

後発メーカーであることでデメリットになるのは、

・市場はあるが、ブランディングされていないため参入するための足掛かりが難しい。

・卸業者も既に決まったブランドを販売しているため置き換えが難しい。

・麺というコモディティな市場であるため、差別化が図りづらく、鼻から価格メリットがないと顧客がつかない状況。

 

どのように参入足掛かりをみつけたのか?

当時冷凍麺を製造販売しだしたころは、量販店の場合、「加ト吉」のようにブランディングもされていないメーカーが参入することは非常に困難であるということを判断し、業務用に特化した販売を展開しておりました。

 

業務用の場合、冷凍麺自体は実際調理される素材の1つであるためメーカーがどこであろうと食べる側の消費者には関係ないからです。

 

また平成入り間もない頃は、冷凍麺の価格自体非常に高く1玉100円ほどもする非常に高価なものでありました。そのため業務用でもまだまだ扱っている顧客も今ほど多く存在しておりませんでした。

 

当時、私がいた会社は販売するにあたってそこまで市場価格も把握できておらず、社内感覚で価格を設定し販売したらしいのですが、これが市場を揺るがすほどの価格帯であったため逆にお客さんから指名を頂くようなきっかけになりました。

 

また品質もそれなりにいいものを使っていたため、他メーカーも頭を悩ますぐらいの品質と価格だったと言われております。

 

要はかえってあまり分からずにやっていたことが返って功を奏したというところでしょう。。

 

また、営業の手法が末端顧客を先に回り提案する飛び込み型の新規拡販ばかりを主体としていた営業スタイルでした。

 

これは後発メーカーならではなのか?自力で市場を切り開くためのシンプルですが大変なやり方を選んでいたんだと思います。

 

なので、この癖は私の営業から抜けていないため以外と他社の営業スタイルや現職の会社の様子をみると、意外とやっていない会社・人がいるので新市場を作る上では非常に良い経験をさせてもらったと感じております。

 

問屋とめちゃめちゃケンカします。

このような飛び込み営業を行うので、そこに卸している問屋とはよくケンカしておりました。

そりゃそうですよね。問屋が入れている冷凍麺が既にあるのに、価格が安いのですよ是非!という売り文句でよく分からない後発メーカーが勝手に売り込み勝手に変えてしまうから、呼び出しは多かったです。

問屋が言うセリフで、

 

「何勝手に売り込みしてんだ?」

「うちのお客を勝手に荒らさないでくれない?」

など、よく言われておりました。

 

それに対抗し負けじと

「お客さんの指定で決めてもらっているので」

「御社のお客でもありますが、弊社のお客でもあります」

 

極めつけは、

「わかりました。御社の顧客には二度と行かないので、顧客リスト頂けますでしょうか?」

 

などなど、今思うとすごい営業セリフだなというか、ケンカ売っているとしか思えない対応の数々をしていました。

 

ただ不思議とどんなに問屋とケンカしていても、売上が下がるどころかどんどん売上が爆上がりしていきました。

 

結局は末端の顧客が気に入って使って頂くことが一番の商売の本質的なところなんでしょう。

 

これは確かにどの商売でも同じことが言えて、あくまで問屋などの流通関連の業者はメーカーにとってパートナーであるというところです。

 

どちらかが胡座をかいて殿様で商売することは間違っていて、末端の消費者のためにいかにメーカーと問屋が協力していい製品を販売するかというところが綺麗ごとですが大事なんだと思います。